環境の取り組み

気候変動への
取り組み

目指す姿

PHCグループは、2040年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル目標」を掲げています。この目標は、持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定などの世界的な枠組みに基づき、エネルギー効率化や気候変動対策を重要な課題として捉え、グループ全体で取り組んでいます。
2015年にパリ協定が採択されて以降、企業も科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出量削減目標(SBT:Science Based Targets)を自主的に策定する動きが広がっています。PHCグループは2023年12月にSBTコミットメントを行い、SBTに基づくNear-term Targetの設定を進めています。これにより、オペレーションの効率化や省エネ施策を推進し、事業所の消費電力を段階的に再生可能エネルギー由来に切り替える計画を策定中です。
さらに、PHCグループはTCFD提言に即した情報開示の充実を進めています。具体的には、Scope3算定やシナリオ分析を通じてリスクと機会の評価を行い、対応策や移行計画の策定を進めています。
これらの取り組みを通じて、PHCグループは気候変動への対応と持続可能な社会の実現に向けて着実に前進しています。

取り組み

カーボンニュートラルに向けた取り組み
ーPHCバイオメディカ事業部ー

気候変動が世界的な課題となる中、ヘルスケア業界においても温室効果ガス(GHG)の削減が重要視されています。PHCバイオメディカ事業部群馬地区でも、2040年のカーボンニュートラル達成に向けて、工場やオフィスなどではさまざまな省エネルギー・省資源の取り組みが進められています。特に、工場の設備投資やエコアクション、製造工程の効率化による省エネ、製品開発による使用時の省エネなど、さまざまな取り組みが行われています。
工場の設備においては照明LED化や製造工程でのエアーコンプレッサー減圧、発泡工程のチラー(冷却水循環装置)交換などにより、CO2削減に取り組んでいます。

また、製造工程の効率化においてはAIを活用し、超低温フリーザーの製品最終検査工程を効率化しました。1台あたりにかかる検査時間を短縮することで、CO2排出量削減を実現しています。
製品開発による取り組みも行われており、ノンフロン化を着実に進めています。また、特に超低温フリーザーは省エネ性能において業界トップクラスを誇り、エネルギー効率に優れた製品に与えられる国際的な認証である「ENERGY STAR」認証※1を取得しているほか、2023年5月には、ISBER(環境及び生物学的リポジトリ国際学会)2023において「優秀新製品賞」を受賞※2しました。今後も、事業活動や商品開発を通じたGHG排出量の削減を推し進めていきます。

業界トップクラスの省エネ性能を持つPHCbiの-85℃ノンフロン超低温フリーザー 「VIP ECO SMART」シリーズ
業界トップクラスの省エネ性能を持つPHCbiの-85℃ノンフロン超低温フリーザー 「VIP ECO SMART」シリーズ
(ENERGY STAR Unique ID:24048119)
  • ※1「ENERGY STAR」認証を取得しているUS仕様の製品は、MPR-S1201XH-PA、MDF-DU703VH-PA、そのほか、品番MDF-DU703VHA-PA、MDF-DU702VH-PA、MDF-DU901VHA-PAなども対象商品です。
  • ※2VIP ECO SMART(品番:MDF-DU703VH/VHA-PA)

検体輸送時のドライアイス(CO2)を削減
ーLSIメディエンスー

LSIメディエンスでは、従来、全国の病院やクリニックから受領した凍結検体をドライアイスで搬送していましたが、CO2排出による環境への影響に加え、再利用の難しさや供給の不安定さ、空輸でのリスクが課題でした。
この課題を解決するために、ドライアイス(CO2)代替品として蓄冷材を導入しました。運用方法の確立後、5つの拠点で蓄冷材を使用した搬送をスタートし、ドライアイスの利用量を30%削減、対前年比年間約570万円の費用削減に成功しました。今後は全国の拠点やグループ会社でも蓄冷材を導入し、ドライアイス(CO2)利用量0を目指します。

検討に参加した名古屋営業所のメンバー イメージ
検討に参加した名古屋営業所のメンバー

担当者の声

星 裕子

星 裕子株式会社 LSIメディエンス
プロセス技術戦略部
プロセス技術戦略グループ

プロセス技術戦略部が中心となり、営業部門や蓄冷材のメーカーと連携しながら蓄冷材に合わせた搬送BOXや管理方法の検討を行いました。蓄冷材保管方法の中でも特に蓄冷材誤使用対策についての検討には苦労しましたが、現場の集材者と何回も意見交換・協力をして分かりやすく運用しやすい統一された方法を確立することができました。

検体輸送時のドライアイス(CO2)を削減 図