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クリニック開業 医師 事務長 2025.06.06 公開

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【2025年度版】東京都診療所向け電子カルテ補助金の導入手順を解説

電子カルテの導入を検討しているものの、高額な費用がネックになっている診療所も多いのではないでしょうか。費用面の問題で導入を先延ばしにしていると、診療効率の改善や地域医療連携の機会を逃してしまう可能性があります。本記事では、東京都が実施する電子カルテ導入補助金の詳細について、対象条件から申請手順まで順を追って解説します。

※本内容は公開日時点の情報です

#開業検討 #業務効率化 #紙カルテの電子化 #開業直後の悩み

目次

東京都電子カルテ補助金の概要

【2025年度版】東京都診療所向け電子カルテ補助金の導入手順を解説

2025年5月時点で、東京都では診療所の電子カルテ導入を支援する「診療所診療情報デジタル推進事業」を実施しています。どのような事業なのか、目的や補助金の内容を紹介します。

診療所診療情報デジタル推進事業の目的

診療所診療情報デジタル推進事業は「電子カルテシステムの診療所への導入を支援することにより、地域における診療情報の共有と連携を促進すること」を目的としています。

具体的には、医療機関同士での患者情報の円滑な共有を実現し、継続的で質の高い医療提供体制の構築を目指すものです。また、診療データのデジタル化により、診療の効率化や医療安全の向上も期待されていると読み取れます。

出典:東京都「令和7年度診療所診療情報デジタル推進事業」

補助金の支給額と補助率

補助金の基準額は診療所の規模によって異なります。規模ごとの補助金基準額は以下のとおりです。

  • 5床以上の有床診療所:605千円に病床数を乗じた金額
  • 4床以下の診療所(無床診療所を含む):一律3,000千円

補助率は3/4となっており、実際の導入費用の4分の3を補助金で賄えます。つまり、3,000千円の基準額の場合、最大2,250千円の補助を受けることが可能です。

補助金対象の施設と条件

東京都電子カルテ補助金を受け取るためには、対象施設の要件を満たすとともに、電子カルテ導入後の義務も発生します。補助金を受けられるのは東京都内の医科診療所に限定されており、新規開設の診療所も含まれます。

ただし、検査システムや医事会計システムなどの部門システムは対象外です。また、補助金交付後は5年間にわたって都への協力義務があるため、申請前に対象条件を丁寧に確認しましょう。

対象施設

対象施設は東京都内において医科診療所を開設する者となります。具体的には、病床配分決定を受けて新規に有床診療所を開設する者および無床診療所を開設する者が含まれます。

既存の診療所だけでなく、これから開設予定の診療所も対象となるため、新規開業を計画している医師でも申請可能です。ただし、歯科診療所や病院は対象外となります。また、東京都内に所在することが必須条件であり、他の都道府県の診療所は申請できません。

参考:東京都「令和7年度診療所診療情報デジタル推進事業」

対象となる診療所の条件

補助金を受けるためには、以下3つの条件を満たす必要があります。

  • 電子カルテシステムの導入後1年以内に、地域医療ネットワークまたは東京都医師会の「東京総合医療ネットワーク」に閲覧施設として参加すること
  • 国が構築を進めている電子カルテ情報共有サービスの導入に向けた取組を進めること
  • 補助金の交付年度から5年間、構築した電子カルテシステムの実績や効果、課題等に係る調査を提出するなど、都に協力すること

各条件は補助金交付の前提となるため、遵守できない場合は採択されません。

対象外になる診療所

補助金の対象外となるケースは主に2つです。まず、検査システムや医事会計システムといった部門システムの導入・更新に係る経費、機器やシステムの保守経費(サポートパック等を含む)、リース料、通信費等の経常的な経費を目的とする場合です。

また、国や地方公共団体の他の補助金等を充当する場合、および医師事務作業補助体制加算を算定する場合も補助対象外となります。

申請前に確認したい注意事項

申請要件を満たしても必ず採択されるわけではなく、審査により不採択となる場合があります。

さらに、規則違反があった場合は違約加算金や延滞金が発生するかもしれません。申請前から申請後含めて、問題なく条件を維持できるかを検討し申請しましょう。

2025年度のスケジュール

2025年度の東京都電子カルテ補助金は、2025年8月29日(金)が書類提出の締め切りです。そのほか、以下のスケジュールでの進行が予定されています。

  • 交付決定:2025年11月頃
  • 電子カルテ業者への支払い完了期限:2026年3月31日
  • 補助金の受領:2026年5月頃

申請を検討している診療所は余裕をもって書類準備を進め、期限に遅れないよう注意が必要です。また、自院の都合だけでなく、電子カルテ業者との契約や導入作業も含めて逆算したスケジュールを設定しましょう。

東京都電子カルテ補助金の申請手順と必要書類

ここからは、東京都電子カルテ補助金の申請に必要な書類と具体的な申請手順について解説します。

1.jGrantsでのオンライン申請

申請手続きはjGrants(日本政府公式Webサイト)から行います。ログインするためには事前にgBizIDアカウントの作成が必要です。

gBizIDアカウントは専用サイトから電子申請または、書類申請で作成できます。以下のように方法で発行期間が異なるため、ご自身が進めやすい方法とスケジュールに鑑みて決定するとよいでしょう。

  • 電子申請:最短即日
  • 書類申請:1週間から2週間程度

アカウント作成後は、指定のURLからログインして申請書類をアップロードし、オンラインで申請手続きを完了できます。もし、システムの利用方法がわからない場合は、事前にサポート窓口に問い合わせることをおすすめします。

参考:jGrants「診療所診療情報デジタル推進事業」

参考:デジタル庁「GビズIDで行政サービスへのログインをかんたんに」

2.必要書類の準備

申請に必要な書類は、以下の7種類です。

  • 診療所診療情報デジタル推進事業に係る交付申請書(Word形式)
  • 診療所診療情報デジタル推進事業計画書(Word形式)
  • 経費所要額調(Excel形式)
  • 電子カルテシステムの見積書およびカタログの写し
  • 歳入歳出予算書(見込書)抄本(Word形式)
  • 印鑑証明書
  • 直近3か年分の法人全体の決算書および申請する診療所の決算書(損益計算書および貸借対照表等)

なお、1の交付申請書と6の印鑑証明書は、jGrantsで手続きできない場合のみ提出が求められます。取り組んでみると書類の準備は時間を要するケースもあるため、早めに着手するのが吉です。

補助金活用による電子カルテ導入の流れ

補助金を活用した電子カルテ導入は、計画的に進めることで円滑に実施できます。主な流れは以下のとおりです。

  • 電子カルテシステムの比較検討・業者選定
  • 補助金申請書類の準備・提出(2025年8月29日締切)
  • 交付決定通知の受領(2025年11月頃)
  • 電子カルテシステム 業者との契約締結
  • システム導入・設定作業の実施
  • 業者への支払い完了(2026年3月31日まで)
  • 実施報告書の提出(2026年4月以降)
  • 補助金の受領(2026年5月頃)

なお、電子カルテ導入の詳細なスケジュールや準備事項については、以下の記事で詳しく解説しています。

参考記事:電子カルテ導入の流れとは?運用までの手順やメリット・デメリットをご紹介

また、電子カルテの主要メーカーの特徴や選び方についても記事を用意しているため、以下をご参照ください。

参考記事:【2025年最新版】電子カルテメーカー主要12社とおすすめの選び方(クリニック向け)

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ウィーメックス株式会社では、補助金対象の電子カルテシステムとして、クラウド型の「Medicom クラウドカルテ」、ハイブリッド型の「Medicom-HRf Hybrid Cloud」の2つをご用意しております。

どちらも、50年以上のレセコン開発の知見を盛り込んだ医事一体型電子カルテのため、会計を効率化し、院内全体の業務改善にも寄与します。

自院に合った電子カルテシステムの選び方について、以下のページでまとめました。考え方の参考として、ぜひご覧ください。

選び方を解説したページはこちらから:メディコムがご提案する失敗しない電子カルテの選び方

まとめ

東京都電子カルテ補助金は、最大2,250千円の支援を受けながら診療所のデジタル化を推進できる制度です。申請締め切りは2025年8月29日となっており、準備には時間を要するため、計画的に進める必要があります。なお、補助金は今回紹介した東京都の事業以外にも複数あります。以下のページに情報をまとめているため、ぜひご活用ください。

制度をまとめたページはこちらから:補助金・税制のご紹介(電子カルテ・レセコン・電子薬歴の導入の方へ)

著者情報

武田 直也 様

フリーランスWebライター。18年間、医療事務として合計3つの医療機関に従事。診療報酬をはじめ、診療情報管理士の資格を活かしたカルテ監査やDPCデータ分析、クリニカルパスなどの医療情報利活用に精通している。

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