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薬局経営 薬剤師 薬局経営者 2025.09.03 公開

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薬局の集患に効果的なアイデア5選!MEO対策の始め方も解説

「地域に根ざした薬局を運営しているものの、患者数が思うように増えない……」「大手チェーン薬局との競争が激しくなり、既存患者の維持も難しくなってきた……」このように「集患」に悩む地域の中小薬局の経営者や薬剤師の方は少なくありません。開局から年月が経った薬局でも、地域の人口動態の変化や競合の増加、オンライン診療の普及など、取り巻く環境の変化によって、集患に課題を抱えるケースが増えています。長年地域に貢献してきた薬局だからこそ、時代に合わせた集患戦略の見直しが必要です。地域から選ばれる薬局になるためには、かかりつけ薬局としての機能強化や在宅への対応、そしてMEO対策(Googleマップ※での上位表示対策)など、さまざまな施策が求められます。そこでこの記事では、薬局の集患力を高める実践的アイデアをわかりやすく解説しました。特に重要なMEO対策については、具体的な始め方まで詳しくまとめています。

※本内容は公開日時点の情報です

#医療政策

目次

薬局の生き残りには「集患力の強化」が欠かせない

薬局の生き残りには「集患力の強化」が欠かせない

薬局経営において「集患」は最重要要素のひとつです。薬局の売上は「患者数(≒処方箋枚数)×処方箋単価×リピート率」で構成されますが、調剤報酬改定により単価アップが難しい現状では、患者数とリピート率を向上させていくことが欠かせません。

競合薬局が増える中、他店との差別化による新規患者獲得とリピート率向上は、生き残りの絶対条件です。集患力強化は短期的な売上向上だけでなく、地域での存在価値を高め、長期的な経営安定にもつながる重要な戦略といえるでしょう。

薬局のマーケティングのポイントは「立地」×「機能」

患者さんの薬局選びでもっとも重視されるのは「近さ」です。厚生労働省は「健康サポート薬局」など、機能面での差別化を推進していますが、多くの患者さんはいまだ「薬をもらうだけならどこも同じ」と考え、病院や自宅から近い薬局を選ぶ傾向にあります。

まずは、立地の強みを活かすことから始めてみるのがよいでしょう。特に、スマートフォンで「近くの薬局」と検索する患者さんを取り込むことが重要。いまやMEO対策は、新規患者獲得において必須の戦略となっています。

しかし長期的には、立地だけでは差別化できません。かかりつけ薬剤師としての専門性や健康相談への対応力など「この薬局ならでは」の価値提供が必要です。成功する薬局は「立地」を押さえたうえで、「機能」の充実を図っています。

出典:健康サポート薬局及び認定薬局について(日本保険薬局協会)(https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001277221.pdf)
   調剤薬局・ドラッグストアの経営者必見!顧客・患者が求めるこれからの薬局とは(デロイト トーマツ)(https://faportal.deloitte.jp/times/articles/000282.html)

薬局の集患アイデア5選

ここからは、集患における実践的なアイデアをご紹介します。デジタル活用から対面サービスまで、今すぐ取り組めるものをまとめました。

MEO対策

MEO(Map Engine Optimization)とは、Googleマップ※などの地図検索で薬局を上位表示させるための対策です。スマートフォンで「近くの薬局」と検索する患者さんが増えており、MEO対策は現代の集患に不可欠となっています。

MEO対策のメリット

MEO対策の最大の魅力は「薬局を探している患者さん」に直接アプローチできることです。テレビCMやチラシと比べて費用対効果が高く、一度設定すれば継続的に効果が期待できるでしょう。

Googleビジネスプロフィールの設定方法

ここからはGoogleマップ※でのMEO対策の基本となるGoogleビジネスプロフィールへの登録方法を説明します。

  • Googleアカウントで「Googleビジネスプロフィール」にアクセス(アカウントを持っていなければ新規登録)
  • 薬局の基本情報(名称、住所、電話番号など)を入力
  • 「薬局」をビジネスカテゴリに選択
  • Googleからの確認コードで登録を完了

登録後は、営業時間、薬局の写真、提供サービスなどの情報を充実させ、定期的に投稿を行うことが重要です。適切に設定・運用することで、地域の患者さんに自店の存在を効果的にアピールできるでしょう。

▼おすすめセミナー
MEOを活用した薬局集患のコツ~MEO対策×薬局DXで、患者さんが集まり定着する薬局へ~

▼参考
Google ビジネス プロフィールを追加または申請する(Googleビジネスプロフィールヘルプ)
https://support.google.com/business/answer/2911778

ホームページを作成する

ホームページは、Googleマップ※で薬局を見つけた患者さんが、さらに詳しい情報を得るための窓口です。開設することで薬局の信頼性が高まり、初めての来局ハードルを下げる効果があります。

ホームページ作成時には以下のポイントを押さえましょう。

  • スマートフォン対応:多くの患者さんがスマートフォンで閲覧するため最適化は必須
  • 基本情報の明示:住所、電話番号、営業時間を見つけやすく配置
  • 特色の見える化:在宅対応や健康サポート薬局など強みを明確に伝える
  • 薬剤師の紹介:スタッフ情報で親近感を創出

ホームページは作って終わりではありません。季節の健康情報やイベント情報など定期的な更新が、集患効果を持続させる鍵となります。患者さんに役立つ情報発信を心がけましょう。

かかりつけ薬局・薬剤師になる

「かかりつけ薬剤師・薬局」は患者さんとの関係性を深め、リピート率を高めるもっとも効果的な戦略です。算定による収益増だけでなく、服薬情報の一元管理で医療安全にも貢献できます。

かかりつけ薬剤師の強みは「顔の見える関係性」です。患者さんの名前、健康状態、生活背景まで理解したうえでの服薬指導は、大型店にはない価値といえるでしょう。

かかりつけ化を進めるためには、日々の対応で「この薬剤師に相談したい」と思ってもらえる関係づくりが重要です。体調変化のフォロー、お薬手帳の活用促進、生活習慣のアドバイスなど、一人ひとりに寄り添うサービスで「替えの効かない存在」を目指しましょう。

▼関連お役立ち資料
地域医療を支える かかりつけ薬局・薬剤師のかかりつけ化実現とその効果

地域で健康推進イベントを開催する

薬局が「薬をもらう場所」から「健康づくりの拠点」へと進化するために効果的なのが、地域住民向け健康イベントです。これにより新規患者獲得はもちろん、薬局の知名度向上や地域との信頼関係構築にも大きく貢献します。

実施しやすいイベント例

  • 季節の健康相談会:花粉症対策(春)、熱中症予防(夏)、インフルエンザ対策(秋冬)
  • 体験型健康チェック:血圧測定、体組成測定、骨密度チェック
  • 薬剤師による健康セミナー:薬の正しい飲み方、ジェネリック医薬品の活用法
  • 栄養相談会:管理栄養士と連携した食事指導
  • 禁煙支援プログラム:禁煙補助薬の使い方と継続支援

イベント開催時は薬局内だけでなく、地域の掲示板やSNS、地域情報誌も活用して広く告知することが欠かせません。参加者からのフィードバックを次回に活かすことで、地域のニーズに合ったイベントを継続的に提供できるでしょう。

また、健康サポート薬局の認定を受けることで、こうした健康イベントの実施にも弾みがつきます。健康サポート薬局についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

▼関連記事
健康サポート薬局とは?認定要件や研修内容、メリットも解説

オンライン服薬指導を実施する

2020年の規制緩和により本格的に始まったオンライン服薬指導は、薬局の集患範囲を大きく広げる可能性を秘めています。特に以下のような患者さんへのアプローチが可能になります。

  • 遠方に住む患者:かかりつけ医の処方箋で離れた場所からも服薬指導可能
  • 通院困難な高齢者:身体的制約があっても質の高い服薬指導を提供
  • 多忙なビジネスパーソン:仕事の合間に便利に利用可能
  • 感染症流行時:対面接触を減らしつつ継続的なケアを実現

従来の立地条件に縛られず、新たな患者層を獲得できます。在宅医療と組み合わせることで地域包括ケアシステムでの役割も拡大できるでしょう。安定した通信環境の確保とスタッフトレーニングが必要ですが、専用システムで比較的スムーズに開始できます。

導入する際は、単なるオンライン対応だけでなく、包括的な服薬指導機能を備えたシステムを選ぶことをおすすめします。

患者データの一元管理や服薬スケジュールの通知機能を備えていれば、対面・オンライン双方の診療で活用でき、薬局全体の業務効率化に大きく貢献するでしょう。薬剤師と患者さんの双方にとって使いやすいインターフェースと、高いセキュリティを兼ね備えたシステムを検討してみてください。

薬局業務支援システム Wemex オンライン服薬指導

まとめ

薬局の集患力強化は、地域医療における存在価値を高める重要な取り組みです。本記事で紹介した5つの方法(MEO対策、ホームページ作成、かかりつけ薬剤師化、健康イベント開催、オンライン服薬指導)は、組み合わせることで大きな相乗効果を生み出すでしょう。

まずは費用対効果の高いMEO対策から始め、立地の強みを活かしつつ「この薬局でなければ」と思われるよう、機能面での充実化を進めることが重要です。変化し続ける薬局こそが、地域から必要とされ続ける存在となるでしょう。

※Google、GoogleマップはGoogle LLC の商標または登録商標です。

筆者情報

下田 篤男 様

下田 篤男 様

薬剤師・薬局経営コンサルタント

京都大学薬学部総合薬学科卒業。 卒業後は調剤薬局やドラッグストアグループで薬剤師として勤務。 総合病院門前などで管理薬剤師として経験を積んだのち、マネージメント業務にも携わる。現在は薬剤師として働く傍ら、医療記事の執筆、編集や薬局経営コンサルタントとしても活動している。

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